ラオス ウドムサイ県ヤオ村(モン族)の焼畑
標高920m
ヤオ村の村長ラオフォアさん(44歳)から2004年12月に聴き取り
焼畑の農事暦
 伐採(3月上旬)、火入れ(3月下旬)、掘り棒を使用した陸稲とモロコシの播種(4月)、ハトムギの播種(5月)、ゴマの播種(7月)、陸稲の収穫(10月中旬)、モロコシの収穫(10月下旬)、ハトムギとゴマの収穫(11月)
主な生産は、焼畑で一番遠い畑は徒歩2時間かかる。陸稲は自家用でうるち米と餅米、ゴマやハトムギ、モロコシを売り物にする。ハトムギは、ご飯に混ぜて食べたり、酒にする。焼畑は、1年目で陸稲を生産し、5年間休耕する(6年サイクル)。1家族で約1haの耕地を経営する(6haが確保されている)。
収穫
 鉄製の鎌を使用するが、昔ながらの穂積具(ヴォ)を使用することもある。陸稲の穂が倒れると鎌は使わず、穂積みになる。また実りの良い穂だけ、選択的に穂刈りして種籾用に使う。種籾は、村で獲れたものを使う。麻袋に入れて高床倉庫に入れる。食用の米は、そのまま倉庫に入れる。種籾は、麻袋に1〜2袋で籾の状態で保存する。
ヤオ村の遠景(尾根に赤土が見える場所)
近景の斜面は、別の村の焼畑地。遠景の山地斜面も植生が破壊されており広大な焼畑地帯となっている。

ラオス ウドムサイ県ラオリー村(モン族)の焼畑
標高980m

陸稲の収穫を終えた焼畑
 村を訪れた12月は、10月に陸稲の収穫を終わった時期であるが、畑に陸稲の切株や籾を収穫した後のわら束などが見られる。集落の住居内には、収穫後の籾が籠に入れられて保存されている。
ラオリー村の焼畑(尾根から急斜面に広がる陸稲の稲株跡)
状況から2004年の焼畑と思われる。
ラオリー村の焼畑
鉄製の鎌で刈り取られた稲株跡。

焼畑の出作り小屋(尾根の平坦な場所に見られる)
左側に収穫跡の稲藁が放置されている。

放置された稲藁
一握り単位でしばってあるのでこれから利用するのだろうか。
住居内に保存された籾
籠の内部にビニールで覆い、籾と掘り具(除草具)が無造作におかれている。別の籠には、籾の上に葉にくるまった餅が置かれていた。
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