ナガム村
ナガオ川支流の谷に位置する62世帯、約300人のラミ族の村。精霊信仰が盛んな村で、年二回の祭りが行われる。
ラオス ラオス ボーケオ県ナガム村
民族:ラミ族
標高:540m
ナガム村の長老トンリーさん(56歳)から2005年3月に聴き取り
焼畑の農事暦
 1975年頃の焼畑は以下の通り。現在は、水田耕作が主であり、予備として焼畑を行う。
1月に森を伐採・開拓する。過去の焼畑地は、2月に伐採。火入れ(4月上旬)、モロコシは火入れ直後の4月上旬に播種、陸稲の播種(5月上旬)、モロコシの収穫(8月)陸稲の収穫(10月上旬)、除草は3回行う。かつては、森林の焼畑を行い、10〜15年間の休耕期間をおいたが、現在では3年間で元に戻す4年サイクルで行っている。
 主な生産は、水田と焼畑で陸稲以外にモロコシ、イモ、キュウリ、タロイモ、サトイモを栽培しハトムギは作らない。1世帯で約1haほどの焼畑地を経営した。除草は、小さな草かき鎌(ウェヴォ)を使用し、集落の鍛冶屋(5軒)で作っていた。播種に使用する掘り棒は、竹などを利用し先を尖らせた2mの棒を使い、鉄製の先はつけない。村では5月下旬に鶏を殺し、9月下旬には豚を殺して祭る、村の業(ゴウ)を行う。

水田の農事暦
 水田は、2期作が行える。7月に耕起、8月に田植え、11月に稲刈りを行う。この作付けはナビーと呼ばれたくさん収穫できる。もう一方の作付けはナセンと呼び、1月に耕起、2月に田植え、5月に稲刈りを行う。ナセンの方が収穫量が少ない。刈り取りは、鉄製の鎌を使用する。

草かき鎌(ウェヴォ)
村の鍛冶屋で作られ、除草具として使われる。
ラミ族の長老
トンリーさん。ナガム村は1975年に3つの村が集まってできた。旧村は歩いて1日ほどの山中にあった。
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