東日本大震災によって発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射性物質の状況
 2011年11月15日(月)に東日本大震災によって発生した福島第一原子力発電所から拡散した放射性物質による土壌汚染の状況を把握するために現地調査を行いました。使用した空間線量計はTC100S(テクノ・エーピー社製)で、AT又は60秒測定フィルタで5分間の測定値を把握しました。
 今年二回目の被災地入り、今日は線量計を持って福島県内を行けるところまで。
 東北道矢板ICトイレ裏の芝生。0.20〜1.91μSv/h。測定値は地表面1mで60秒計測値を数分みての目安の値。測定はTC100S。これからの測定も同一条件で行います。必要に応じてビニール袋に入れて地表面も測定。
 東北道黒磯PA。トイレ脇の植樹帯、0.48〜0.47。ここから積算線量も測定開始。東北道鏡石PA。0.39〜0.35。
 郡山東ICで磐越道を降りました。途中の東北道では路面のアスファルト工事が行われ、路面が新しくなっていました。新路面では走行中の数値が0.1台、旧路面に変わると数値が0.4〜0.5台に跳ね上がりました。郡山市上舞木。道路近くの草地。1.0〜0.96。
JR磐越東線三春駅前。アスファルトの駐車場。0.24〜0.22。 公共交通の生活環境がこの数値なのは、かなり安心。
 船引町船引。国道288号線沿いのアスファルト、GS跡地。0.15〜0.13。近くの船引小学校の校庭には除染して集めた土がブルーシートをかけて校庭の隅に。
 田村市船引町郊外のコンビニ。0.07。我が家と変わらない。これからの双葉町まで47km何処まで行けるかの、コンビニの店員は知らないようだ。お巡りさんが立っている処までとの回答。汚染されていないコンビニから数キロ来た鎌倉岳南の国道288号線沿い。アスファルト上。0.87〜0.86。この間の空間線量の上昇の仕方は、すごいものがある。火山山麓のテフラの厚さの変化に似ているというか、全く同じだと思う。テフラの場合、崖での厚さで変化を感じるが、空間線量の変化は数値で見られるからダイナミックだと思う。
 葛尾村、人影なし。ゴーストタウンとなっている。特別警戒隊の事務所で道路情報を入手(写真1)。
 浪江町立津島中学校前。ここからは警戒区域。国道沿いのススキがはえる草地の1m。9.1μSv/h。地表面12.4μSv/h(写真2)
 浪江町から飯館村に向かう国道399号沿いのススキがはえる草地の1m。16.57μSv/h。峠では道路沿いの地表面1mで20.5μSv/hを軽く越える。ここではもう、怖さが一杯で計測を中止して自動車で走り去る。草むらの地表面は30μを越えているだろう。
 飯館村飯樋、ここでも建物は閉まっているが、老人数人が自動車工場にいてお店を開いていた。道路情報を聞いて、飯館役場に向かう。ここも2μを越えている。
 飯館村を後にすると急に道路に自動車が増えて、日常の風景に変わった。
ほっとしたからか、緊張の糸がほぐれて涙が止まらなかった。
 道の駅川俣。アスファルトの駐車場。0.44〜0.42。ここは観光客がいて、子連れの親子がいて、農産物直売所がある普通の街の光景。
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