安中市湯沢温泉付近の地層見学 地層見学地点 位置図(青いボタンを押すと地点と解説が表示されます) 地点1 橋の上から上流を眺めてみましょう。板鼻層の砂岩や泥岩の地層が北東にゆるく傾きながら重なっています。 このような地層を砂泥互層(さでいごそう)といいます。 地層は橋の下流にも見られます。 地点2(写真なし)橋を渡ったら湯沢温泉の脇の水路を眺めましょう。この付近には先ほど見た地層の上位にあたる礫岩の地層がみられます。現在はゴミなどもあり、地層の露出状態は良くないです。かつては礫岩の地層の中にたくさんの貝化石が見つかりました。みつかった貝化石の種類から、地層が河口に近い三角州のような場所に堆積したことがわかりました。 地点3 林道の右手の崖は、少しコケが生えていますが板鼻層の砂岩や泥岩、礫岩の地層がみられます。 泥岩層には、黒い縞のような地層が数枚ほど挟まってるのが観察できます。 触ると黒い固まりからなり炭のようです。 これは石炭の仲間の亜炭です。当時の洪水によって運ばれた大量の植物が堆積してできた地層です。 砂岩は、少しづつ崩れて、まるでタマネギの芯のようにも見えますね。これはタマネギ状風化と呼ばれ、岩石が壊れて土や砂に戻る過程でみられます。 解説 この地域で見られる地層は、板鼻層(いたはなそう)と呼ばれる地層です。安中市の板鼻町付近で研究されたため、この名前がつきました。この名前で呼ばれる地層は、碓氷川の上流から藤岡市の南部まで広く分布しています。地層の厚さは、おおよそ千メートルほどです。地層の年代は、凝灰岩層の年代から約900〜800万年前と考えられています。 板鼻層は、砂や泥岩からなり上部ほど礫岩が多くなります。海から陸で堆積した地層であると考えられており、貝化石や亜炭などを含む上部層は三角州から河川の堆積物からなります。板鼻層に含まれる礫は、チャートや砂岩などからなり、石英斑岩や安山岩などの礫も含まれます。これらの礫は、関東山地や群馬県西部の山々が削られて、当時の河川によって運ばれたものと考えられます。 観察の注意点 湯沢温泉の脇の水路では貝化石が、林道沿いの亜炭層の前後では植物化石が見つかります。崖から化石を採集する場合は地主さんに許可を得てから行いましょう。崖を削って道路を土を汚さないことにも注意しましょう。 自動車で訪れた時は、湯沢温泉の駐車場が便利ですが、声をかけて駐車してください。 カラー